Parts / Tools / Schedule — ER Turbo Swap

パーツ・工具・工程

ER型ターボ換装で必要になる部品・工具と、実作業にかかる時間。 部品番号は「確実な出典があるものだけ」を載せる方針。推測の品番は発注ミスに直結するので書かない。 作業時間はYASTUDIO氏が2000年に実際に行った12日間の記録という一次資料からの実績値。

01

品番の調べ方HOW TO FIND PART NUMBERS

結論: パーツリスト(部品番号図)は「サービスマニュアル」ではなく「パーツカタログ」に載っている

落札したサービスマニュアル8冊(整備編・構造編・追補版)には作業手順・規定トルク・配線図が載るが、 部品番号と分解図(exploded view)は別冊の「パーツカタログ」にある。ER型の品番を体系的に引くには、 ホンダ シティ ターボII(E-FA)のパーツカタログを1冊入手するのが最短。ヤフオクで定期的に出品される。

それまでの実務的な手段は次の3つ。①ホンダディーラーで車台番号 自車の車台番号 を伝えて検索してもらう (YASTUDIO氏もこの方法でダンパーマウントキャップの品番と在庫を確認している)。 ②現物のパーツに刻印された番号を読む(ドナー車とERエンジンが手元にある=最も確実)。 ③消耗品は「同じ部品を使う別のホンダ車」から探す(下記の実例参照)。

ER型は「他車種と部品を共有している」ので、そこから引ける

40年前の絶版車は純正在庫が尽きている部品が多い。だがホンダは同じ部品を複数車種で長期間使うため、 現行〜近年車種の品番で同一部品が買えることがある。YASTUDIO氏はリアショックのラバーマウントを CR-Z/フリード用の 52725-TG5-C01 で代替している(下の確定リスト参照)。 ゴム・ベアリング・シール類は特にこの手が効く。寸法を測って現行部品から探すのが旧車維持の基本戦術。

02

確定済み品番VERIFIED — 出典付き

YASTUDIO氏が実際にこのカブリオレで使った/ディーラーで確認した品番。出典記事リンク付きで、 信頼度が最も高いもの。作業中に同じ部品が必要になったらここから発注できる。

部品品番種別備考出典
ダンパーマウントキャップ
フロントストラット上部
52748-SA7-000 ホンダ純正 ディーラー検索で在庫なし=廃番。YASTUDIO氏は修理+ミラーシール仕上げで対応。 この計画でも同じ手を想定しておく #102 ダンパーマウントキャップ
ショックアブソーバー
ラバーマウント(リア)
52725-TG5-C01 ホンダ純正 CR-Z・フリード用が流用可。近年車種の品番なので今でも新品が買える。 他車種にも使われている可能性あり #091 リアサスのゴム類
ピラーエンブレム
PININFARINA
87301-SC7-910 純正・カタログ記載 パーツリスト記載価格310円。カブリオレ固有の外装部品。 ドナー車に残っていれば必ず回収する #106 ピニンファリーナエンブレム
リバウンドストッパー
代用品(フロント)
BE-0-652 社外・汎用品 光社製「平置ゴム 黒 内径65mm」の底面を丸くカットして流用。 純正は廃番。1年半で劣化するので予備を持つとYASTUDIO氏 #117 フロントダンパーマウントトップ

この4件以外は「まだ確定していない」

ネット上のパーツ検索サイトには1984年式シティ(E-FA)のデータがほぼ存在しない(40年前の日本国内専売車のため)。 タイミングベルト・クラッチ・ガスケット類の品番を推測で書くことはしない。 下の「必要パーツ全リスト」は品番欄を空けたまま発注チェックリストとして使い、 現物確認・ディーラー照会・パーツカタログ入手のいずれかで埋めていくのが現実的な進め方。

02

純正パーツカタログHONDA FACTORY MICROFICHE / 11SA702 = TURBO2

ターボII専用のホンダ純正パーツカタログが見つかった

カタログID 11SA702、車名 CITY TURBO / E-AA、類別 4441-067、 note欄が TURBO2、AT/MT が MTベースのキャブ車ではなくターボIIそのもののマイクロフィッシュで、 分解図124枚と全部品番号が収録されている。うちのドナー車の車台番号 自車の車台番号 は 収録範囲 1500001〜5099999 の外に見えるが、これは表記系列の違いで、 ER型・E-FA/E-AAの部品構成は共通(発注時に車台番号を伝えて最終確認する)。

重要: ターボIIは品番の末尾が「PD1」系、NAキャブ車は「PC0/PC5」系で、エンジン部品に互換性がない。 ヘッドガスケット・クラッチ・タービン配管は必ずPD1系を選ぶこと。 足回り・マウント系は SA7 系でベース車と共通。

下は換装作業で実際に手を出す図だけを抜き出したもの(全13図・カタログ収録 368点から、 発注対象になる36点を選別)。分解図の数字と表の「図番」が対応しているので、 現物と見比べながら部品を特定できる。図はクリックで拡大。

カムシャフト/タイミングベルトFIG E1100 / カタログ収録 20点

カムシャフト/タイミングベルトの分解図
ホンダ純正 分解図 — カムシャフト/タイミングベルト左端の数字が図中の部品番号。表の「図番」と対応
図番品番部品価格区分
414510-PC0-005タイミングベルト テンショナー
ADJUSTER COMP., TIMING BELT
¥7,691新品必須
ベルトとセット交換が鉄則
514516-673-000テンショナー スプリング
SPRING, TIMING BELTADJUSTER
¥513新品必須
同時交換
1091203-611-004カムオイルシール 27×43×9 (NOK)
OIL SEAL , 27X43X9(NOK)
¥938新品必須
タイベル交換時に露出する
790401-634-000テンショナー ラバー
RUBBER, TIMING BELTADJUSTER
¥234状態次第
劣化していれば
214210-PA0-000タイミングベルト ドリブンプーリー
PULLEY, TIMING BELT DRIVEN
¥6,417状態次第
摩耗時のみ
1306142-P01-305タイミングベルト ラベルセット
LABEL SET, TIMING BELT
¥212状態次第
交換記録用

ウォーターポンプ/サーモスタットFIG E1501 / カタログ収録 34点

ウォーターポンプ/サーモスタットの分解図
ホンダ純正 分解図 — ウォーターポンプ/サーモスタット左端の数字が図中の部品番号。表の「図番」と対応
図番品番部品価格区分
319222-634-000ウォーターポンプ ガスケット
GASKET ,WATER PUMP
¥498新品必須
ポンプ交換に必須
419224-PC1-000ウォーターポンプ プーリー
PULLEY,WATER PUMP
¥2,989状態次第
錆・振れがあれば

クラッチ/フライホイールFIG E1801 / カタログ収録 19点

クラッチ/フライホイールの分解図
ホンダ純正 分解図 — クラッチ/フライホイール左端の数字が図中の部品番号。表の「図番」と対応
図番品番部品価格区分
322200-PD1-921クラッチディスク
DISC, FRICTION
¥13,551新品必須
ターボII専用のPD1系
422300-PD1-923クラッチカバー(プレッシャー)
DISC COMP., PRESSURE
¥19,631新品必須
-921/-922の最終版
222100-PD1-920フライホイール
FLYWHEEL COMP.
¥30,326状態次第
摩擦面が荒れていれば

クラッチレリーズFIG M1300 / カタログ収録 10点

クラッチレリーズの分解図
ホンダ純正 分解図 — クラッチレリーズ左端の数字が図中の部品番号。表の「図番」と対応
図番品番部品価格区分
122810-PE6-003レリーズベアリング (不二越)
BEARING, CLUTCH RELEASE (FUJIKOSHI)
¥5,801新品必須
PD1でなくPE6系。注意
122810-PE6-921レリーズベアリング (NSK)
BEARING, CLUTCH RELEASE (NSK)
¥5,801代替
同上・メーカー違い

シリンダーヘッドFIG E1001 / カタログ収録 24点

シリンダーヘッドの分解図
ホンダ純正 分解図 — シリンダーヘッド左端の数字が図中の部品番号。表の「図番」と対応
図番品番部品価格区分
712251-PD1-003シリンダーヘッドガスケット
GASKET , CYLINDER HEAD
¥7,838新品必須
NA用PC0系と互換なし

シリンダーヘッドカバーFIG E901 / カタログ収録 18点

シリンダーヘッドカバーの分解図
ホンダ純正 分解図 — シリンダーヘッドカバー左端の数字が図中の部品番号。表の「図番」と対応
図番品番部品価格区分
615613-PD1-000オイルフィラー ガスケット
GASKET , OIL FILLER
¥557新品必須
硬化して滲む定番箇所
817139-PD1-000PCVバルブ グロメット
GROMMET, PCV VALVE
¥293新品必須
ブローバイ漏れ防止
1190013-PD1-000ヘッドカバーボルト
BOLT, HEAD COVER
¥601状態次第
錆・なめていれば
312411-PD1-000ブリーザープレート
PLATE, BREATHER
¥2,754状態次第

触媒/ターボチャージャーFIG E302 / カタログ収録 43点

触媒/ターボチャージャーの分解図
ホンダ純正 分解図 — 触媒/ターボチャージャー左端の数字が図中の部品番号。表の「図番」と対応
図番品番部品価格区分
315500-PD1-004タービン オイル供給ホース
HOSE ASSY., INLET OIL
¥6,739新品必須
715550-PD1-010タービン オイルリターンパイプ
PIPE COMP., OIL OUTLET
¥9,449新品必須
詰まると即焼き付き
815555-PD1-000オイルパイプ ガスケット ×2
GASKET , OIL PIPE
¥498新品必須
再使用不可
2490427-PD1-000シーリングワッシャー 10mm
WASHER, SEALING 10MM
¥557新品必須
銅ワッシャーは必ず新品
1518234-PD1-911タービン アウトレットガスケット
GASKET , TURBOCHARGER OUTLET
¥2,754新品必須
排気漏れ防止
1618235-PD1-003フレキシブルジョイント ガスケット
GASKET , FLEXIBLE JOINT
¥1,260新品必須
1318200-PD1-911ターボチャージャー本体 RHB51D (IHI)
TURBOCHARGER ASSY. (RHB51D) (IHI)
¥303,402状態次第
定価30万。手元品が不調なら

プラグコード/スパークプラグFIG E401 / カタログ収録 31点

プラグコード/スパークプラグの分解図
ホンダ純正 分解図 — プラグコード/スパークプラグ左端の数字が図中の部品番号。表の「図番」と対応
図番品番部品価格区分
1898079-571-75スパークプラグ NGK BR6EB-L-11
PLUG, SPARK (BR6EB-L-11)
¥659新品必須
ギャップ 1.0〜1.1mm・4本
232700-PD1-911プラグコードセット
WIRE ASSY., SPARK PLUG
¥11,061状態次第
劣化していれば

エンジンマウントFIG B4700 / カタログ収録 57点

エンジンマウントの分解図
ホンダ純正 分解図 — エンジンマウント左端の数字が図中の部品番号。表の「図番」と対応
図番品番部品価格区分
250811-SA7-010エンジンマウント インシュレーター
RUBBER, ENGINE MOUNTING INSULATOR
¥4,043状態次第
ゴムがヘタっていれば
450821-SA0-020サイドマウント インシュレーター
RUBBER, ENGINE SIDE INSULATOR
¥4,380状態次第
850834-SA7-000トルクロッド インシュレーターA
INSULATOR A, TORQUE ROD
¥1,919状態次第

燃料ポンプ/ベントチューブFIG B302 / カタログ収録 33点

燃料ポンプ/ベントチューブの分解図
ホンダ純正 分解図 — 燃料ポンプ/ベントチューブ左端の数字が図中の部品番号。表の「図番」と対応
図番品番部品価格区分
106167-PD1-010燃料ポンプKIT (DENSO)
PUMP KIT, FUEL (DENSO)
¥52,594新品必須
単体売りなし。ドナー車の社外品流用も検討
416703-PD1-003タンク内 サクションフィルター
FILTER , SUCTION
¥982新品必須
錆タンクなので必須
616705-PD1-003サイレンサー ガスケット
GASKET , SILENCER
¥234新品必須

ドライブシャフトFIG B2100 / カタログ収録 38点

ドライブシャフトの分解図
ホンダ純正 分解図 — ドライブシャフト左端の数字が図中の部品番号。表の「図番」と対応
図番品番部品価格区分
1590305-692-010ハブナット 22mm
NUT, SPINDLE (22MM)
¥733新品必須
カシメ品・再使用不可
1144333-SA7-013ドラシャブーツ アウター (NOK)
BOOT, OUTBOARD (NOK)
¥3,692状態次第
破れていれば
644315-SA7-003ドラシャブーツ インナー
BOOT, INBOARD
¥3,692状態次第

カタログから「消えている」部品 — ここが発注の山場

換装で必ず要るのに現行カタログに品番ごと存在しないのが次の6点。 いずれも1998年版のフィッシュには載っていた記録があるが、今は引けない=ホンダからは新品が買えない。 現物を測って社外品・他車種流用・中古で手当てする前提で動く。

① タイミングベルト(旧 14400-PC0-004) — 最重要。歯数・幅・ピッチを実測して ゲイツ/三ツ星/バンドーの汎用品に当てるのが定石。
② ウォーターポンプ(旧 19200-PA5-700 / PC0-010) — ガスケット単体(19222-634-000 ¥498)は買えるがポンプ本体が無い。 リビルト業者か社外品を探す。
③ ヘッドカバーパッキン(旧 12341-PD1-003) — 同図のオイルフィラーガスケットやPCVグロメットは買えるので、 パッキンだけ社外・中古で手当てする。
④⑤ クランクシール前後(旧 91212-611-003 / 91214-634-004) — サイズが分かっている(35×50×8 / 74×98×12)ので NOK等の汎用オイルシールを寸法で買える。カムシール(91203-611-004 ¥938)は現役なのでこれは純正で。
⑥ エアクリーナーエレメント(旧 17220-PD1-003) — 社外汎用か、現物採寸で近いものを探す。

発注前に必ず確認すること

①価格はカタログ表示の参考値。「載っている=在庫がある」ではないので、 発注前にディーラーで在庫照会する。上の表で金額が出ている品番は少なくともカタログに現存している。

②燃料ポンプは単体売りが無くKIT 06167-PD1-010(¥52,594)のみ。 高額なので、ドナー車に付いている社外ポンプが使えるならそちらを流用する判断もある(吐出圧がPGM-FI適合かは要確認)。

③ターボ本体は定価 ¥303,402(18200-PD1-911 / RHB51D / IHI)。 手元のタービンは軸ガタを確認して、使えるなら絶対に使う。ダメならリビルトを探すほうが現実的。

④車台番号による分岐がある。タービン・触媒・インタークーラー・インジェクターは 車台番号を境に部品が変わる。発注時は必ず 自車の車台番号 を伝える。

03

必要パーツ全リストPARTS CHECKLIST / 出どころ別

換装で手を触れる部品を全て列挙。「新品必須」=中古流用してはいけないもので、 ここをケチると降ろし直しになる。品番欄は確定次第この表に追記していく。

A. 新品必須の消耗品MUST BE NEW — 降ろしている間にしか替えられない

部品数量品番なぜ新品必須か
タイミングベルト1未確定 長期保管でゴムが硬化。切れたらバルブとピストンが当たって全損。ES日誌でも交換している
タイミングベルト テンショナー1未確定 ベアリングが固着するとベルトを切る。ベルトとセット交換が鉄則
ウォーターポンプ1未確定 タイベルと同時に外れる位置。後で漏れたらタイベルをもう一度剥がすことになる
クラッチディスク1未確定 ミッションを割った今しか替えられない。ES日誌でも交換済み
クラッチカバー1未確定 ダイヤフラムスプリングがへたる。ディスクとセットで
レリーズベアリング1未確定 異音の定番。ES日誌でもクラッチ板と同時交換
カムシール/クランクシール(前・後)3未確定 オイル漏れの定番箇所。タイベル交換時に露出する
ヘッドカバーパッキン1未確定 硬化して滲む。プラグホールパッキンも同時に
各部ガスケット類(エキマニ・タービン・サーモ・ウォーターアウトレット)一式未確定 排気漏れ・冷却水漏れの原因。組む前に全部用意しておかないと途中で止まる
タービン オイルライン バンジョーワッシャー4以上未確定 銅ワッシャーは再使用不可。ここが漏れるとタービン焼き付き
ハブナット2未確定 カシメて使うため再使用不可。ドラシャを抜いたら必ず新品
スパークプラグ(ターボ用の熱価)4未確定 NAと熱価が違う。ターボII指定の番手を使う(マニュアルで確認)
耐圧燃料ホース・専用クランプ一式汎用品 PGM-FIは高圧。キャブ用低圧ホースの流用は車両火災に直結
油脂類(エンジンオイル・フィルター・LLC・ミッションオイル)一式汎用品 初始動前に必ず新油。ターボ車なので油種はグレードに注意

B. ドナーから移植する部品FROM DONORS — 手元のドナー車・ERエンジン一式から

部品出どころ状態・注意
ERターボエンジン本体エンジン一式実働車外し・長期保管未テスト。クランク手回し可は確認済み。刻印 PD1-1■■
タービン(IHI・銘板 RHB5T0■)エンジン一式軸ガタ・羽の当たり・オイル滲みを載せる前に点検
エキゾーストマニホールド+遮熱板エンジン一式表面錆あり。ワイヤーブラシ+耐熱塗装をこの段階で
インタークーラー+ステーエンジン一式フィラーキャップとの干渉が既知の問題(ES日誌7日目)。搭載前に現物合わせ
PGM-FIプレナム/スロットルエンジン一式赤いインテークプレナム。キャブから完全に置き換わる部分
ECU(HONDA刻印アルミカバー)エンジン一式室内設置。これが無いとPGM-FIが動かない最重要部品
ディストリビュータ+プラグコードエンジン一式キャップ・ローターは消耗品なので状態次第で新調
エアクリーナーボックスエンジン一式カプラー付き。エレメントは新品に
5速ミッションドナー車エンジン一式に付属しない。ドナー車から降ろすのが基本線
メインハーネス+カプラー類ドナー車後付け配線が混在=要精査。外す前に全経路を写真撮影。ES日誌でも配線色違いでハマっている
燃料タンク・燃料ポンプ・配管3本ドナー車タンクは再洗浄・内面コート前提。ポンプは社外品(純正廃番)。配管はキャブ2本→FI3本化が必要
メーター(ブースト計付き)ドナー車燃料ゲージ固着・バックライト暗い→移植前に修理。ES日誌ではブースト計のハンダ浮きも発生
ボンネット(パワーバルジ付き)・グリルドナー車ブルドッグ顔の要。錆状態は現車確認
ラジエター・電動ファンドナー車ラジエター下部の取付ベース形状がカブとブルで違う(ES日誌7日目)。カブ側を使う判断もあり
ドライブシャフト左右・マフラードナー車エンジン一式には付属しない
エンジンマウント・トルクロッドドナー車ゴムがヘタっていれば新品/リビルトへ
イグニッションコイル・レジスター・コントロールボックスドナー車カブとブルで取付位置が違う(ES日誌5日目)。ステー加工・ハンドナッター作業が発生

C. 保険として押さえたい部品BACKUP — 部品ストックを持つ業者(パーツ業者)ストックから

シティ10台分以上のストックがある=ここが最大の保険

ドナー車のハーネスが後付け混在で使えなかった場合、代わりのハーネス一式が手に入るかどうかで工期が数ヶ月変わる。 優先順位は ①ハーネス一式 ②5MT予備 ③燃料タンク ④ブーストメーター ⑤ダンパーマウント系のゴム部品。 交渉は電話・LINEで(取引ナビではない)。リストと値段は期限を決めて交渉する

04

必要工具TOOLS / 赤=必須 黄=ほぼ必須 灰=あると楽

ES日誌に実際に登場した工具を軸に、エンジン脱着で確実に要るものを整理。 「無いと作業が止まる」ものを赤にしてある。

吊る・支えるLIFTING

MUST

エンジンクレーン

ER+5MTを一体で吊る。能力1t以上を推奨。ES日誌ではチェーンをかけて摘出している

MUST

ロードレベラー

吊り角度を変えてエンジンを傾ける道具。これが無いとエンジンルームから抜けない場面が必ず来る

MUST

ガレージジャッキ+ウマ4脚

オープンボディは剛性が低い。必ず4点で水平に支える。ES日誌でも「ジャッキアップして馬をかけ」と記載

WANT

ミッションジャッキ/台車

降ろしたエンジンを動かす。エンジンスタンドがあれば整備が格段に楽

回す・締めるWRENCHING

MUST

トルクレンチ

ハブナット・マウント・ヘッド周りは感覚締め厳禁。中トルク用と大トルク用の2本あると安心

MUST

ソケットレンチ一式(3/8・1/2)

ディープソケット・エクステンション・ユニバーサルジョイントまで。ボルト長違いが多いのでラベリング前提

MUST

大型ソケット(ハブナット用)

ドラシャを抜くのに必須。インパクトレンチがあると圧倒的に速い

WANT

インパクトレンチ

固着したボルトを折らずに緩める。40年物の下回りでは効果が大きい

WANT

フレアナットレンチ

燃料・ブレーキ配管のナメ防止。配管を舐めると詰む

加工・移植FABRICATION — ES日誌で実際に必要になったもの

MUST

ハンドナッター

ES日誌5日目の主役。内側にネジ山のあるリベットを打ち込む工具。 ブルの小物ステーはスポット溶接なので、カブ側は穴を開けてこれで受けを作る

MUST

電動ドリル+スポット溶接用ドリル刃

ドナーからステー類をもぎ取るのに使う。ES日誌「ドリルでスポット溶接部分をもんで取り外し」

WANT

パイプベンダー/手曲げ用治具

燃料配管はカブのサイドシル補強に当たるので少しずつ曲げて調整が必要(ES日誌2日目)

WANT

クラッチ芯出しツール

センターがずれるとミッションが入らない。安価なので必ず用意

NICE

サンダー/ワイヤーブラシ

エキマニの錆落とし、エンジンルームの防錆処置に

測る・調べるDIAGNOSTICS

MUST

サーキットテスター

ES日誌10日目で不灯の原因を特定した道具。配線図と組み合わせて使う。電装は必ずこれで追う

MUST

燃圧計

PGM-FI化の要。初始動前に燃圧が出ているかを必ず測る

WANT

圧縮計

ERエンジン受け入れ時の検品用。載せる前に4気筒のバラつきを記録

WANT

ノギス

代替部品を現行品から探すときの寸法出しに。旧車維持の必需品

その他SUPPLIES

MUST

マスキングテープ+油性ペン+ジップ袋

最重要の"工具"。配線カプラー1個ごと・ボルトを場所ごとに袋分け。 これを怠ると組み立てで必ず迷う

MUST

スマホ/カメラ

外す前に全景と各部を撮る。ES日誌でも「撮り忘れた」と何度も後悔している

MUST

廃油・LLC受け皿/消火器

燃料を扱うので消火器は必ず手の届く場所に

WANT

エンジンルームクリーナー+研磨剤

ES日誌4日目はまるごと1日を磨きに使っている。エンジンが載る前しか磨けない

05

作業時間の実績ACTUAL HOURS / 2000年GW・12日間の一次記録より

実績値: 延べ12日(正味 約80〜100時間)/ 2〜3人体制

YASTUDIO氏の記録では、4月22日〜5月28日の間に実作業12日。1日あたり朝9時〜夕方で、 ほぼ毎日2〜3人(oga博士・taka_bullさん・ホンダ勤務の父上)が入っている。 「この作業は一人では厳しいでしょう」(3日目・燃料配管)と明記されている工程もある。

参考になる細かい実測: カブ側の解体は外装〜ドラシャ片側まで約3時間(1日目午前)。 エンジンルーム磨きだけで正味1日(4日目)。 そして初始動後も不具合追いで3日(10・11・12日目)かかっている—— 「載せたら終わり」ではなく、そこから電装のデバッグが始まると見ておくべき。

この計画の場合は「もっとかかる」と見ておく

ES日誌の12日間は①ホンダ勤務の熟練者が同席 ②ドナーが同じ敷地内にある ③エンジンが実働確認済みという好条件。 この計画では長期保管の未テストエンジンで、ドナー車のハーネスは後付け混在遠隔地のため部品調達に時間がかかる実作業20日前後+部品待ちを含めて数ヶ月を見込むのが現実的。 急ぐ理由がないならP1(降ろし整備)を丁寧にやるほど後が速い

06

工程表SCHEDULE / 横棒=作業日数の目安

換装手順書のPHASE 0〜9を時間軸に並べたもの。 赤=準備・部品待ち/黄=機械作業/青=電装・調整日数は上の実績値をこの計画の条件(未テストエンジン・部品調達に時間)で補正した見込み。

開始5日10日15日20日
PHASE 0準備・調達
〜数週
PHASE 1ドナー検品・降ろし整備
3〜4日
PHASE 2NAエンジン降ろし
2日
PHASE 3燃料系の転換
2〜3日
PHASE 4ターボエンジン搭載
1〜2日
PHASE 5ターボ系統の構築
2〜3日
PHASE 6電装・ハーネス
3〜4日
PHASE 7外装ブルドッグ化
1日
PHASE 8初始動・試走
1〜2日
PHASE 9不具合追い・車検・慣らし
3日〜
準備・部品待ち 機械作業 電装・調整

工程の重ね方 — ここが工期短縮の勘所

PHASE 1(ドナー整備)とPHASE 2(NA降ろし)は並行できる。 ERエンジンを台の上でタイベル・クラッチ交換している間に、カブ側の解体を進めるのが最短ルート。 ES日誌でも「エンジン移植のために作業しているのは一人、後はパーツをはぎ取っていた」と、 同時並行でドナーを剥がしている。

逆に絶対に前倒しできないのがPHASE 3(燃料配管)。 室内床下を通す作業なので内装を剥がしている時期にしかできず、しかも2人必要。 ここだけは人手が確保できる日に合わせて計画する。

チェックリストで進捗を管理する

各PHASEの具体的な作業項目(全78項目)は換装手順書にチェックリスト形式で入っている。 タップで進捗が保存され、ナビに達成率が出るので、この工程表で全体を見て、手順書で1項目ずつ潰すのが使い方。