Restoration Log

白い錆だらけから、
マイアミブルーになるまで

1984年式 ホンダ シティ カブリオレ(AA型)を、沖縄の板金塗装業者に預けて 分解から全塗装まで仕上げた99日間の記録。ボディカラーはポルシェ純正のマイアミブルー(カラーコード M5C)。
写真171枚・動画5本を、板金塗装の標準22工程に割り当ててあります。 各工程の適正な工賃と、口頭提示された300万円との照合は 06 料金の検証 に。

2026.04.28 → 08.04
99 DAYS / 171 PHOTOS
OKINAWA
01

ビフォー/アフター2026-04-28 → 2026-08-04 / 99 DAYS

左が入庫時、右が完成。あいだの171枚が、この2枚をつなぐ記録です。
写真はクリックで原寸表示(リサイズせず元の解像度のまま保存してあるので、錆の縁や溶接ビードまで拡大して読めます)。

BEFORE幌を閉じた状態の白ボディのリア斜め後ろからの現状
幌を閉じた状態の白ボディのリア斜め後ろからの現状
AFTER幌を立てナンバーまで付いた完成後の後ろ姿
幌を立てナンバーまで付いた完成後の後ろ姿
01b

仕上がりDELIVERED / 2026-08-19

2026年8月19日、引き取り完了。
ボディはマイアミブルー(ポルシェ純正 M5C)で仕上がり、エンジンルーム内部・ボンネット裏・下回りまで同色で塗られています。
ボンネットやドアの映り込みが輪郭を保っているので、磨きまで入っていることが写真から確認できます。

外装・全体25 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

エンジンルーム3 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

室内3 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

足回り4 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

ターボ化用の部品4 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

動画1 CLIP / 37秒

8/19 引き取りリアまわりをゆっくり舐めるように撮った37秒

この時点で残っている不具合

8月6日に業者から申し送りのあった箇所は、依頼者の指示(費用を抑えるため作業範囲を限定)により直していません。
左後ウィンカーの球切れ/ブレーキの効きが弱い/ラジエーターファンの動作不良/助手席の鍵の不良/タイヤ前後の亀裂とエア漏れ/エアコンのガス漏れ。
ブレーキとタイヤは、そのまま公道を走れる状態ではありません。ターボ化の作業と合わせて手を入れる前提です。

02

工程の流れGANTT / 2026-04-28 → 08-04(99日)

22の工程を、実際に写真が撮られた日から逆算して並べたもの。バーをクリックするとその工程へ飛びます。
複数の工程が同じ時期に重なっているのは、部位ごとに進行が並行するためです(フロアを溶接しながら、外したパネルはもう研いでいる)。

4/285/206/117/37/258/4
05/06–06/04
05/06–06/19
06 / P3当て板
05/18
07 / P3溶接
05/18
05/18–06/05
10 / P5板金修正
05/06–05/09
11 / P5パテ研ぎ
05/18
05/06–06/18
05/06–05/26
05/18–06/16
06/16
06/05–06/19
06/16
06/18–06/30
20 / P7幌
07/09
21 / P8磨き
—
錆の切除 板金・溶接 パテ・研ぎ 塗装 組み付け・完成
03

板金塗装の工程TODO22 STEPS / 時間と料金つき

分解から完成までを22の工程に割った作業表。チェックはこの端末に保存されます(同じ作業をもう一度やるときの手順書として使えます)。
各工程には「業者に出したらいくら・何時間か」と「自分でやった場合の材料費・時間」を並べてあります。金額の根拠は06 料金の総額と内訳に。

STEP 01 / P0

入庫・現状診断・腐食探査・見積

04/28–06/04

ボディを打診し、スクレーパーと磁石で叩いて腐食の実範囲を特定する。ジャッキアップして下回りとサイドシル内部を点検し、切除範囲を確定する。旧車では見えている錆の2〜3倍の範囲が朽ちているのが常態。

業者の作業時間
3–5 h
DIYの目安時間
6–12 h
業者に出した場合
2.1–4万円
DIYの材料費
0–0.3万円
ここで失敗するここで切除範囲を小さく見積もると、塗装後に錆が再発して全工程がやり直しになる。

この工程の写真7 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 02 / P1

外装部品の脱着分解(白ボディ化)

05/06–06/04

バンパー、エアロ、灯火類、モール、ドアハンドル、エンブレム、トランクリッド、ボンネット、ガラスとウェザーストリップを取り外す。外した部品は袋分けとラベリングと写真で管理する。固着ボルトは加熱と浸透潤滑剤で1本ずつ処理する。

業者の作業時間
8–14 h
DIYの目安時間
25–45 h
業者に出した場合
5.6–11.2万円
DIYの材料費
0.3–4万円
ここで失敗する42年前の樹脂クリップは100%割れる前提。復元用クリップを事前手配していないと組み付けで止まる。

この工程の写真19 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 03 / P1

幌・幌骨の取り外しと保管

写真なし

ソフトトップ生地とフレーム(幌骨)をボディから分離する。ヒンジ、テンションワイヤー、リアウインドウ周りのタックやリベットを外し、幌骨は単体で錆処理できる状態にする。

業者の作業時間
2–4 h
DIYの目安時間
5–10 h
業者に出した場合
1.4–2.8万円
DIYの材料費
0–0.5万円
ここで失敗する幌生地の取り付け位置をマーキングせずに外すと、組み付け時に張りが出ず走行中に暴れる。
この工程の写真は残っていません。作業自体は行われていますが、手が塞がる工程なのでカメラを持てなかったものと思われます。
STEP 04 / P2

旧塗膜の剥離・足付け・腐食範囲の確定

05/06–06/11

ディスクサンダーと剥離剤とワイヤーホイールで旧塗膜とパテを落とす。剥離すると隠れていた過去の板金痕や穴あきが露出するため、初期の見積が更新される。全剥離しない場合はサフェが密着する足付けまで。

業者の作業時間
15–25 h
DIYの目安時間
45–80 h
業者に出した場合
10.5–17.5万円
DIYの材料費
0.8–2.5万円
ここで失敗するサンダーを当てすぎて鋼板を薄くする、熱で歪ませる。特にリアフェンダーの曲面。

この工程の写真30 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 05 / P2

腐食部の切除(フロア・サイドシル・リアフェンダー)

05/06–06/19

エアソーとカットオフとスポットカッターで腐食部を直線的に切り取る。切断線は健全鋼板まで20〜30mmの余裕を取る。サイドシルは閉断面のインナー側まで確認して二重に切除するのが定石。

業者の作業時間
10–20 h
DIYの目安時間
30–60 h
業者に出した場合
7–14万円
DIYの材料費
0.5–1.5万円
ここで失敗するサイドシルを左右同時に切ると車体がねじれる。必ず片側ずつ、または補強治具を入れてから切る。

この工程の写真9 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 06 / P3

当て板(パッチパネル)の製作・型取り・成形

05/18

切り取った部位の型紙を作り、SPCC鋼板(0.8〜1.6mm)から切り出す。ハンマーとドリーとビードローラーで曲面とビードを再現し、隙間1mm以下で合わせる。補強メンバーは元形状を採寸して復元する。

業者の作業時間
12–25 h
DIYの目安時間
40–80 h
業者に出した場合
8.4–17.5万円
DIYの材料費
0.5–2万円
ここで失敗する合わせ隙間が2mm以上あると溶接で肉盛りになり、歪みとピンホールの温床になる。

この工程の写真2 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 07 / P3

溶接(プラグ・突合せ)とビード研削

05/18

半自動溶接で点付けと冷却を繰り返し、熱歪みを抑えながら全周を繋ぐ。フランジ部はプラグ溶接、パネル面は突合せ溶接。ビードはグラインダーで面一に研削する。

業者の作業時間
12–25 h
DIYの目安時間
40–80 h
業者に出した場合
8.4–17.5万円
DIYの材料費
0.5–1.3万円
ここで失敗する連続で溶接して熱歪みを出す。ビードを削りすぎて溶接部を薄くする(=再腐食の起点)。

この工程の写真1 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 08 / P4

溶接部・裏面の防錆処理(プライマー・シーラー)

05/18–06/05

溶接部の裏側までエポキシまたはジンクリッチプライマーを塗布する。閉断面内部にはノズルで防錆剤を注入する。合わせ面には車体用シーラーを打ち、水の侵入路を断つ。

業者の作業時間
5–10 h
DIYの目安時間
12–25 h
業者に出した場合
3.5–7万円
DIYの材料費
1–2.5万円
ここで失敗する溶接の裏側(閉断面内部)を防錆せずに塞ぐと、2〜3年で内側から再発する。ここが最も手を抜かれる工程。

この工程の写真7 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 09 / P4

補強メンバー等・単体部品の錆落としと塗装

05/08–05/18

取り外した補強メンバー(鋼板プレス材)、幌骨、ブラケット類を単体でワイヤーブラシやサンドブラストで処理し、プライマーと防錆塗装を施す。単体化すると裏側や角部まで確実に処理できる。

業者の作業時間
6–12 h
DIYの目安時間
15–30 h
業者に出した場合
4.2–8.4万円
DIYの材料費
0.5–1.5万円
ここで失敗するプレス材の合わせ面(フランジ裏)を処理せずに組むと、そこから再発する。

この工程の写真3 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 10 / P5

板金修正(面出し)・パテ付け

05/06–05/09

ハンマーとドリーで面を出し、残った凹凸に薄付けまたは厚付けのポリパテを盛る。1回の盛り厚は3mm以下として複数回に分ける。溶接痕と当て板の段差もここで吸収する。

業者の作業時間
20–35 h
DIYの目安時間
60–110 h
業者に出した場合
14–24.5万円
DIYの材料費
1–2万円
ここで失敗するパテを厚盛りしすぎ。5mm超は数年でひび割れて剥離する。厚みは鋼板で出すのが原則。

この工程の写真4 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 11 / P5

パテ研ぎ(粗研ぎから仕上げ研ぎ)

05/18

#80から#120、#180、#320と番手を上げて研磨する。当て板(ロングファイル)を使い、手のひらではなく面で当てる。ガイドコートを吹いて凹凸を可視化する。

業者の作業時間
15–30 h
DIYの目安時間
50–100 h
業者に出した場合
10.5–21万円
DIYの材料費
0.8–2万円
ここで失敗する手のひらで研いで波打たせる。研ぎ不足はサフェ後・塗装後に必ず光で露見し、戻れない。

この工程の写真1 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 12 / P6

サフェーサー塗布・乾燥

05/06–06/18

2液ウレタンサフェを2〜3コート塗る。旧車で全剥離した場合はエポキシプライマーからサフェの順が必須。強制乾燥(60℃で30分程度)または自然乾燥。

業者の作業時間
6–10 h
DIYの目安時間
15–30 h
業者に出した場合
4.2–7万円
DIYの材料費
1.2–3.7万円
ここで失敗するサフェを厚吹きしすぎて痩せが出る。乾燥不足のまま研ぐと目詰まりして番手が効かない。

この工程の写真22 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 13 / P6

サフェ研ぎ(ガイドコート)・最終脱脂

05/06–05/26

ガイドコートを薄く吹き、#400から#600で研磨する(水研ぎまたは空研ぎ)。最後にシリコンオフで徹底的に脱脂する。

業者の作業時間
10–18 h
DIYの目安時間
30–60 h
業者に出した場合
7–12.6万円
DIYの材料費
0.8–2万円
ここで失敗する脱脂不足によるハジキ(クレーター)。素手で触った指紋1つで発生する。

この工程の写真2 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 14 / P6

マスキング・養生

05/18–06/16

塗らない部位を全面養生する。マスカーとマスキングテープと養生紙を使う。エンジンルーム、室内、足回り、ガラス開口部。境界は折り返しマスキングでエッジを立てない。

業者の作業時間
5–10 h
DIYの目安時間
12–25 h
業者に出した場合
3.5–7万円
DIYの材料費
0.5–1.5万円
ここで失敗するマスキングの浮きから塗料が回り込む。テープのエッジで段差ができ、剥がすときに塗膜を引っ張る。

この工程の写真8 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 15 / P7

ベースコート(マイアミブルー/ポルシェ純正 M5C)塗装

06/16

色はポルシェ純正のマイアミブルー(カラーコード M5C/おおよそ #00B5C8)。ソリッドカラーを3〜4コート、各コート間はフラッシュオフを5〜10分取る。ボディ本体を先に、ドア開口部とヒンジ部も忘れずに塗る。ソリッドなのでメタリックのようなムラのリスクはないが、隠蔽性の低い水色系は下地の色ムラを拾う。

業者の作業時間
4–7 h
DIYの目安時間
10–20 h
業者に出した場合
2.8–4.9万円
DIYの材料費
2.5–5万円
ここで失敗する厚吹きによるタレ。ソリッド濃色は1コート厚く吹きたくなるが、薄く回数を分けるのが正解。

この工程の写真1 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 16 / P7

クリヤー塗装・強制乾燥

06/16

2液ウレタンクリヤーを2〜3コート塗る。ベースの指触乾燥後、規定のインターバルで塗り重ねる。60〜70℃で30〜60分の焼付け(DIYでは遠赤ヒーターまたは夏場の自然乾燥)。

業者の作業時間
3–6 h
DIYの目安時間
8–18 h
業者に出した場合
2.1–4.2万円
DIYの材料費
1.6–2.5万円
ここで失敗する湿度の高い日に吹いて白化(カブリ)する。沖縄の梅雨から夏は特に要注意。

この工程の写真1 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 17 / P7

単体パネル塗装(ボンネット・トランクリッド等)

06/05–06/19

外したパネルを立て掛けたり馬に乗せたりして、表裏を単体で塗装する。開口部と裏面も塗るのが完全オールペンの定義。ボディ本体と同一ロットの塗料を同一条件で吹かないと色が合わない。

業者の作業時間
8–14 h
DIYの目安時間
20–40 h
業者に出した場合
5.6–9.8万円
DIYの材料費
0–2万円
ここで失敗する日を変えて吹くと同じ塗料でも色差が出る。パネルとボディは連続で吹くのが鉄則。

この工程の写真7 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 18 / P7

下回り塗装(サイドシル下・フロア裏)

06/16

車体を持ち上げて、フロア裏とサイドシル下面を防錆プライマーとボディ同色で塗装する。今回はマイアミブルー。シャシーブラックより手間が数倍かかる(下地を出す必要があるため)。

業者の作業時間
8–15 h
DIYの目安時間
25–45 h
業者に出した場合
5.6–10.5万円
DIYの材料費
1–3万円
ここで失敗する下向き面は塗装ミストが顔に落ち、膜厚も乗りにくい。防毒マスクなしは危険。塗り残しは必ず錆になる。

この工程の写真1 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 19 / P7

エアロパーツ塗装(FRP・PP樹脂)

06/18–06/30

リアスポイラー、フロントとリアのバンパー、サイドステップを脱脂し、足付けして樹脂用プライマー(PPの場合は必須)、サフェ、ベース、クリヤーの順に塗る。PP樹脂にはクリヤーに軟化剤を添加しないと割れる。FRPは巣穴をパテで埋める。

業者の作業時間
10–16 h
DIYの目安時間
30–50 h
業者に出した場合
12–20万円
DIYの材料費
0.8–2万円
ここで失敗するPP樹脂にプライマーを入れずに塗ると、数ヶ月で爪で剥がれる。軟化剤なしのクリヤーは冬にひび割れる。
この工程だけ、業者料金の出し方が他と違う。他の21工程は「工数×レバレート」で出しているが、エアロ塗装は各社が「1点いくら」で公開しているため、その実単価を積み上げた(バンパースポイラー軽45,000円〜×2点、サイドステップ25,000〜40,000円、リアスポイラー12,000〜18,000円)。公開単価には脱着・下地処理・取付工賃まで含まれるので、工数換算(10〜16h×7,000円=7〜11万円)より高く出る。

この工程の写真9 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 20 / P7

幌(ソフトトップ)の染めQ施工

07/09

幌生地を洗浄して完全に乾燥させ、脱脂してから染めQを薄く多層に吹く。布は塗料を吸って色ムラが出るため、乾かしては染まりの薄い箇所を重ねる。264mlで約1平米、幌全体は4〜6平米と予備が必要。

業者の作業時間
4–6 h
DIYの目安時間
8–15 h
業者に出した場合
2.8–4.2万円
DIYの材料費
1.3–2.6万円
ここで失敗する厚塗りで生地が硬化し、幌を畳んだ折り目から割れる。1回で染めようとしないこと。
業者施工の公開相場は見つからなかった(メニュー化している業者を発見できず)。上記は工数×レバレートによる推計。参考: 幌の張替えは7万〜26万円(ホンダ ビートの実例)。シティ カブリオレ用の幌生地が現在も供給されているかは不明で、入手できない場合この染めQ塗装は選択肢ではなく唯一解になる。

この工程の写真1 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

STEP 21 / P8

磨き(ブツ取り・コンパウンド・仕上げ)

写真なし

クリヤーが完全硬化してから(最低24〜72時間)、ゴミやブツを#1500から#3000でペーパー当てし、粗目コンパウンド、細目、仕上げの順に磨く。ポリッシャーで焼かないよう回転数と圧を管理する。

業者の作業時間
8–16 h
DIYの目安時間
20–40 h
業者に出した場合
5.6–11.2万円
DIYの材料費
0.5–2万円
ここで失敗するエッジ(稜線)を磨きすぎて下地を出す。一度出したら再塗装しかない。
この工程の写真は残っていません。作業自体は行われていますが、手が塞がる工程なのでカメラを持てなかったものと思われます。
STEP 22 / P9

組み付け・建て付け調整・機能点検・最終検査

06/19–08/04

全部品を復元する。ドアとボンネットとトランクリッドの建て付け(チリ合わせ)、幌の張り調整、灯火とワイパーとウォッシャーと電装の動作確認、水漏れテストを行う。最後に洗車と室内清掃。

業者の作業時間
10–18 h
DIYの目安時間
30–60 h
業者に出した場合
7–12.6万円
DIYの材料費
1–4万円
ここで失敗する塗装した合わせ面をボルトで締めて塗膜を割る。幌の張り調整を甘くして高速で幌が煽られる。

この工程の写真26 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

並行作業 / M0

機関・足回りの整備

10 PHOTOS

ホイール、ブレーキのマスターシリンダー、エンジン本体、アーシングまわり。 板金塗装の22工程には含まれない作業ですが、車体を分解しているあいだに並行して進んでいます。 工程表の時間と料金にもこの分は入っていません。

この作業の写真10 PHOTOS / CLICK TO ZOOM

04

時系列の記録CHRONOLOGY / 18 DAYS / 171 PHOTOS

撮影日ごとに全171枚を並べたもの。日付をタップで開きます(開くまで画像は読み込まれません)。
ファイル名そのものが 撮影日_通番_工程_部位_内容.webp になっているので、ダウンロードしても何の写真か分かります。

4月28日(火)入庫・現状診断3枚
5月6日(水)分解・脱着 / 剥離・腐食切除 / パテ・研ぎ / サフェ・マスキング14枚
5月7日(木)サフェ・マスキング1枚
5月8日(金)分解・脱着 / 剥離・腐食切除 / 防錆処理12枚
5月9日(土)入庫・現状診断 / 剥離・腐食切除 / パテ・研ぎ / サフェ・マスキング17枚
5月14日(木)剥離・腐食切除1枚
5月18日(月)分解・脱着 / 剥離・腐食切除 / 板金・溶接 / 防錆処理 / パテ・研ぎ / サフェ・マスキング39枚
5月26日(火)分解・脱着 / サフェ・マスキング / 機関・足回り整備10枚
6月4日(木)入庫・現状診断 / 分解・脱着5枚
6月5日(金)防錆処理 / サフェ・マスキング / 塗装 / 機関・足回り整備10枚
6月11日(木)剥離・腐食切除5枚
6月16日(火)サフェ・マスキング / 塗装4枚
6月18日(木)サフェ・マスキング / 塗装 / 機関・足回り整備8枚
6月19日(金)剥離・腐食切除 / 塗装 / 組み付け・完成12枚
6月30日(火)塗装 / 組み付け・完成 / 機関・足回り整備12枚
7月9日(木)塗装 / 組み付け・完成5枚
7月25日(土)組み付け・完成3枚
8月4日(火)組み付け・完成 / 機関・足回り整備10枚
05

動画5 CLIPS

写真では伝わらない、錆の範囲や作業中の様子。読み込みは再生ボタンを押してからです。

5/6 / P6 サフェ・マスキング白いFRPエアロ一式を塗装ブースの台に並べた状態
5/6 / P6 サフェ・マスキンググレーのサフェーサーを入れたエアロ一式とトランクリッド
6/16 / P7 塗装マイアミブルーを吹き終えた車体まわりを一周した記録
6/30 / P9 組み付け・完成塗装済みエンジンルームに戻し始めたハーネスとマスターシリンダー
7/8 / P7 塗装窓を新聞紙で養生して染めQで黒く仕上げた幌
06

料金の総額と内訳COST / 業者に出した場合 vs 自分でやった場合

同じ作業を沖縄の板金塗装工場に丸ごと発注していたら、いくらだったか。
下の数字は実在する料金表とレバレート調査から積み上げたものです(根拠は末尾に全部並べてあります)。

業者に丸投げ

OUTSOURCED
133.8–249.4万 円

工賃 184–341時間 + 材料費。
納期は業者標準で3〜6ヶ月。

自分でやる(材料費)

DIY — MATERIALS
17.1–50.4万 円

工具を持っている前提。
投入時間 536–1035時間。

差額

SAVED
83.4–232.3万 円

実質時給に直すと
およそ 1,300〜3,300円。

お金がかかるのはどこか業者に出した場合の上位5工程

22工程のうち、この5つだけで業者見積の約41%を占めます。 5つのうち4つは「塗る前」の板金と下地づくり(パテ・研ぎ・剥離・当て板)で、 ボディを実際に塗る工程(15 ベースコート+16 クリヤー)は合わせても4.9万〜9.1万円にしかなりません。 旧車の板金塗装が高くつくのは、塗料代ではなく錆を追いかけて下地を作り直す手間だということが、この並びに出ています。

10 / P5板金修正
14–24.5万円
19 / P7エアロパーツ塗装
12–20万円
11 / P5パテ研ぎ
10.5–21万円
04 / P2旧塗膜の剥離・足付け・腐食範囲の確定
10.5–17.5万円
06 / P3当て板
8.4–17.5万円

工程別の内訳22 STEPS / 帯の長さが金額の大きさ

工程作業業者 hDIY h 業者に出したら業者 DIY材料費DIY
01 P0入庫・現状診断・腐食探査・見積3–56–122.1–4万0–0.3万
02 P1外装部品の脱着分解(白ボディ化)8–1425–455.6–11.2万0.3–4万
03 P1幌・幌骨の取り外しと保管2–45–101.4–2.8万0–0.5万
04 P2旧塗膜の剥離・足付け・腐食範囲の確定15–2545–8010.5–17.5万0.8–2.5万
05 P2腐食部の切除(フロア・サイドシル・リアフェンダー)10–2030–607–14万0.5–1.5万
06 P3当て板(パッチパネル)の製作・型取り・成形12–2540–808.4–17.5万0.5–2万
07 P3溶接(プラグ・突合せ)とビード研削12–2540–808.4–17.5万0.5–1.3万
08 P4溶接部・裏面の防錆処理(プライマー・シーラー)5–1012–253.5–7万1–2.5万
09 P4補強メンバー等・単体部品の錆落としと塗装6–1215–304.2–8.4万0.5–1.5万
10 P5板金修正(面出し)・パテ付け20–3560–11014–24.5万1–2万
11 P5パテ研ぎ(粗研ぎから仕上げ研ぎ)15–3050–10010.5–21万0.8–2万
12 P6サフェーサー塗布・乾燥6–1015–304.2–7万1.2–3.7万
13 P6サフェ研ぎ(ガイドコート)・最終脱脂10–1830–607–12.6万0.8–2万
14 P6マスキング・養生5–1012–253.5–7万0.5–1.5万
15 P7ベースコート(マイアミブルー/ポルシェ純正 M5C)塗装4–710–202.8–4.9万2.5–5万
16 P7クリヤー塗装・強制乾燥3–68–182.1–4.2万1.6–2.5万
17 P7単体パネル塗装(ボンネット・トランクリッド等)8–1420–405.6–9.8万0–2万
18 P7下回り塗装(サイドシル下・フロア裏)8–1525–455.6–10.5万1–3万
19 P7エアロパーツ塗装(FRP・PP樹脂)10–1630–5012–20万0.8–2万
20 P7幌(ソフトトップ)の染めQ施工4–68–152.8–4.2万1.3–2.6万
21 P8磨き(ブツ取り・コンパウンド・仕上げ)8–1620–405.6–11.2万0.5–2万
22 P9組み付け・建て付け調整・機能点検・最終検査10–1830–607–12.6万1–4万
合計 184–341536–1035 133.8–249.4万17.1–50.4万

この金額の前提

レバレート(時間工賃)は 6,500〜7,500円/時 と置いています。沖縄の板金塗装レバレートを公表している一次資料は見つからなかった。日整連 令和6年度調査の業界平均8,717円/板金専業の実勢7,000〜8,000円(横浜)に対し、沖縄県最低賃金1,023円が全国加重平均1,121円の91.3%であることから 6,500〜7,500円/時 と推計した。これは推計値であって出典のある数字ではない。

工具をゼロから揃えた場合は、DIY材料費に別途 13.5万〜44万円(100V半自動溶接機・コンプレッサー・スプレーガン・サンダー・ポリッシャー等)がかかります。

比較の材料として:ナップファクトリーは車齢20年以上の全塗装に基本工賃×2.0の旧車加算を明示していて、それだけで76万円〜。この車は42年落ちです。

調べても分からなかったこと(推測で埋めていません)

  • 沖縄県の板金塗装レバレートの公表値 — 業界団体・行政ともに都道府県別データを公開していない
  • 錆修理の「1箇所あたり」単価 — 業界標準は範囲・パネル単位の個別見積。唯一「穴埋め溶接5,000円〜」のみ確認できた
  • 幌の染めQ施工を業者に出した場合の料金 — メニュー化して価格を公開している業者を発見できず
  • 下回りをボディ同色で塗装する場合の相場 — シャシーブラックや防錆コーティングの相場しか存在しない
  • FRPとPP樹脂でのエアロ塗装料金の差 — どの料金表も素材別に分けていない
  • ホンダ シティ カブリオレ(AA型)専用の幌生地の現行価格と供給状況
  • ボディ全剥離(サンドブラスト/ウエットブラスト)の相場 — 全社「要問合せ」
  • 旧車レストアの工程別内訳金額 — 「作業メニュー一式でいくら」が業界慣行で、内訳を公開している工場は存在しない
  • 染めQを幌へ施工した場合の塗膜耐久年数

金額の出典20 SOURCES